アカデミア向け 知財に関する公的支援プログラムガイド
アカデミアの研究者、URA、産学連携・TLO関係者、大学発スタートアップ起業予定者が活用できる「知的財産」関連の公的支援は、ここ数年で大きく再編・拡充されました。本ガイドでは、INPIT、特許庁、JST、AMED、文部科学省、経済産業省・中小企業庁、JETROなど主要機関のプログラムを網羅的に整理しました。すべてのプログラムに公式URLを付記していますので、ソースを確認したうえで各支援にアクセスしてください。
目次
- 1. INPIT(工業所有権情報・研修館)の支援事業
- 2. 特許庁(JPO)の支援施策
- 3. JST(科学技術振興機構)の知財関連支援
- 4. AMED(日本医療研究開発機構)の医療系知財支援
- 5. 文部科学省の関連施策
- 6. 経済産業省・中小企業庁の支援
- 7. JETRO(日本貿易振興機構)の海外知財支援
1. INPIT(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)の支援事業
INPITは2024年度にアカデミア向け知財支援の中核機関として位置付けが強化されています。
1-1. アカデミア知財支援窓口(常時相談・無料)
- 概要:大学、高専、国研等を対象に、知財ルール策定、産学連携活動、共同研究契約、大学発スタートアップとの知財契約等の課題を、INPIT所属の「知財戦略エキスパート」が無料で支援する常時窓口
- 対象者:大学・高等専門学校・国立研究開発機関の研究者・URA・産学連携担当者
- 費用:無料
- 申込:随時(常時受付)。Webフォーム、メール、電話
- 公式URL:https://www.inpit.go.jp/katsuyo/ip_academia/index.html
- 申込フォーム:https://www.inpit.go.jp/form/gippd_inquiries.html
- 特記事項:iAca公募で不採択の場合や支援終了後のフォローもこの窓口で対応可能。契約交渉同席・契約書作成・出願書類作成・知財調査など弁理士・弁護士業務は対象外
1-2. iAca(大学等向け知財支援事業/公募型)
- 正式名称:大学等の研究成果の社会実装に向けた知財支援事業(IP Acceleration program for Academic R&D projects、略称 iAca=アイアカ)
- 概要:知財戦略プロデューサー(知財PD)を大学・高専・国研に派遣し、研究シーズ発掘から事業化までシームレスに支援。3つのスキームから選択:①有望シーズの発掘・活用支援(最大25日)、②スタートアップ創出支援(最大30日)、③企業との大型共同研究支援(年間共同研究受入額1,000万円以上、最大30日)
- 対象者:日本国内の大学、高等専門学校、国立試験研究機関(独立行政法人含む)
- 費用:無料(知財PD派遣費用はINPIT負担)
- 申込:年複数回の公募制。申請には支援対象研究者+協働するURA等研究支援者の体制が必須
- 公式URL(INPIT本サイト):https://www.inpit.go.jp/katsuyo/ip_academia_haken/index.html
- 特設サイト(公募申請):https://ip-academia.inpit.go.jp/
1-3. iNat(競争的研究費向け知財支援事業/公募型)
- 正式名称:競争的研究費による研究成果の社会実装に向けた知財支援事業(IP Acceleration program for National R&D projects、略称 iNat=アイナット)
- 概要:競争的研究費(国プロ)を推進する大学・研究機関およびファンディングエージェンシー(FA)に知財PDを派遣し、国プロ初期段階から知財戦略策定・マネジメントを支援
- 対象者:競争的研究費の受託研究機関およびFA
- 費用:無料
- 申込:年複数回の公募
- 公式URL:https://www.inpit.go.jp/katsuyo/ipsupport/index.html
- 公募申請サイト:https://ip-inat.inpit.go.jp/
1-4. IPAS(スタートアップ向け知財アクセラレーション事業)
- 正式名称:スタートアップに向けた知財アクセラレーション事業(IP Acceleration program for Startups、IPAS=アイパス)
- 概要:創業期(シード・アーリー)のスタートアップに、ビジネスメンターと知財メンターのチームが約5か月間で10回程度のメンタリングを実施。ビジネスモデル構築と知財戦略を一体で支援
- 対象者:創業期スタートアップ(大学発スタートアップを含む)
- 費用:無料
- 申込:通年応募。年2期に分けて支援開始
- 公式URL(応募ポータル):https://ipas-startups.inpit.go.jp/
- INPIT本サイト内ページ:https://www.inpit.go.jp/katsuyo/ipas/index.html
- 特記事項:令和6年度に特許庁からINPITに移管。落選時もINPITスタートアップ知財支援窓口でフォロー可能
1-5. IPランドスケープ支援事業(公募型)
- 概要:市場・事業・知財情報を組み合わせた分析により、新市場探索、競争戦略構築、連携相手探索等の経営課題解決を支援
- 対象者:中堅・中小企業者、個人事業者、地方公共団体、商工会議所・商工会、教育機関等
- 費用:無料
- 申込:年複数回公募
- 公式URL:https://www.inpit.go.jp/katsuyo/ipl/index.html
1-6. スタートアップ知財支援窓口(常時相談・無料)
- 概要:創業期・成長期のスタートアップ、起業予定者を対象に、知財戦略エキスパートが無料で個別相談に対応
- 公式URL:https://www.inpit.go.jp/katsuyo/ip_startup/index.html
1-7. その他の専門窓口(いずれも無料・常時)
- 海外展開知財支援窓口:https://www.inpit.go.jp/katsuyo/gippd_madoguchi/index.html
- 営業秘密支援窓口:https://www.inpit.go.jp/katsuyo/tradesecret/madoguchi.html
- 営業秘密・知財戦略ポータル:https://faq.inpit.go.jp/tradesecret/
- 関西知財戦略支援専門窓口:https://www.inpit.go.jp/kinki/senmon_madoguchi/index.html
- 特記事項:大学のノウハウ・データ管理の課題には営業秘密支援窓口、海外展開時の出願戦略には海外展開知財支援窓口を、iAca・iNatと併用すると効果的
1-8. INPIT外国出願補助金
- 概要:中小企業、スタートアップ、大学等に対し、外国における発明(特許)、考案(実用新案)、意匠又は商標の権利化に要する経費の一部を補助
- 対象者:中小企業等、スタートアップ、試験研究機関等(大学等)
- 費用:補助率1/2
- 申込:年複数回公募
- 公式URL(トップ):https://www.inpit.go.jp/shien/gaikoku/index.html
- 制度概要ページ:https://www.inpit.go.jp/shien/gaikoku/100170506.html
- 応募申請ページ:https://www.inpit.go.jp/shien/gaikoku/100170508.html
【混同注意】 本制度と、特許庁が都道府県等中小企業支援センター経由で実施する「中小企業等海外出願支援事業」(https://www.jpo.go.jp/support/chusho/kaigai-shien_new-business.html)は別制度です。後者は中小企業のみが対象で、大学は対象外です。
1-9. IP ePlat(知的財産eラーニング)
- 概要:特許庁・INPITが保有する知識・経験に基づくeラーニング教材を無料提供。ユーザー登録不要、スマホ視聴対応
- 対象者:誰でも(学生、研究者、URA、企業担当者等)
- 費用:完全無料
- 案内ページ:https://www.inpit.go.jp/jinzai/ipeplat/index.html
- 学習システム本体:https://ipeplat.inpit.go.jp/Elearning/
2. 特許庁(JPO)の支援施策
2-1. 特許料・審査請求料の減免制度(大学等向け)
- 概要:産業技術力強化法に基づき、大学・高等専門学校・大学共同利用機関法人の研究者および大学等について、審査請求料および特許料(第1〜10年分)が2分の1に軽減
- 対象者:学校教育法に基づく大学・高専の研究者、大学等
- 費用:申請料金なし。手続簡素化により減免申請書・証明書類の提出は不要
- 公式URL(減免制度総合案内):https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmensochi.html
- 新減免制度(2019年4月以降案件):https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen20190401/index.html
【2024年4月1日施行改正:大学・研究機関等は減免件数上限の対象外】
特許庁公式の改正お知らせページ(https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen_240131.html)において、2024年4月1日施行の改正により中小企業等には年度180件の上限が設定された一方、「小規模・中小スタートアップ企業、大学・研究機関等、福島特措法認定中小等には、上限を設けない」と明記されています。根拠法令は不正競争防止法等の一部を改正する法律(令和5年法律第51号)、関係政令(令和5年政令第338号)、特許法施行規則改正(令和6年経産省令第2号)です。
2-2. スーパー早期審査・面接活用早期審査
- 概要:スタートアップ対応スーパー早期審査は約2.7か月で権利化が可能。面接活用早期審査は一次審査まで約2.3か月
- 費用:無料
- 公式URL(スーパー早期審査):https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/super_souki.html
- Q&A:https://www.jpo.go.jp/faq/yokuaru/patent/super_souki_qa.html
- スタートアップ対応版:https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/patent-venture-shien.html
- 早期審査・早期審理全般:https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/v3souki.html
2-3. IP BASE(スタートアップ知財コミュニティ・ポータル)
- 概要:スタートアップ、VC、アクセラレーター、知財専門家による知財コミュニティの基地。基礎知識、支援施策、イベント情報、知財専門家検索、モデル契約書(大学編含む)等を提供
- 費用:無料(会員登録も無料)
- 公式URL:https://ipbase.go.jp/
- 支援策一覧:https://ipbase.go.jp/support/
- 知財基礎知識:https://ipbase.go.jp/startup/basic-knowledge/
2-4. VC-IPAS(VC・アクセラレーター向け知財専門家派遣プログラム)
- 概要:VC・アクセラレーター等に知財専門家を短期派遣しスタートアップ投資先の知財支援を強化
- 公式URL(VC向け):https://www.jpo.go.jp/support/startup/vc-ipas-2025.html
- アクセラレーター等向け:https://www.jpo.go.jp/support/startup/vc-ipas-accel-2025.html
- 特許庁スタートアップ向け情報トップ:https://www.jpo.go.jp/support/startup/index.html
2-5. J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)
- 運営:INPIT(特許庁と協力して提供)
- 概要:明治以降に発行された特許・実用新案・意匠・商標の公報等と、その関連情報(外国公報、経過情報、審査・審判書類)を検索・閲覧できる、国内で唯一の公的な特許情報基盤
- 対象者:誰でも(研究者、URA、産学連携担当者、起業予定者、企業担当者等)
- 費用:完全無料、登録不要
- 公式URL:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
【研究者・URAが押さえておきたい3つの入口】
「特許・実用新案」のメニューは次の3つに分かれています。用途が違うため、最初に区別しておくと迷いません。
- 特許・実用新案検索:技術用語・出願人名などのキーワードや特許分類から探す(先行技術の把握、競合の出願動向の確認)<br>https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0100
- 特許・実用新案番号照会/OPD:出願番号・公開番号・特許番号など、番号が分かっている文献を直接照会する。あわせて、同一発明について日米欧中韓の五大特許庁やWIPO-CASE参加庁に出願されたパテントファミリーの手続・審査関連情報(ドシエ情報)を参照できるワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会もこのメニューから使う。自分の出願の外国での審査状況や、競合のグローバルな権利化動向をここで把握できる<br>https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0000
- 特許・実用新案分類照会(PMGS):FI・Fタームなどの特許分類表を照会し、キーワードから該当する分類を特定する。分類を特定してから検索すると、キーワードだけの検索より漏れが減る<br>https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p1101
【収録範囲:「検索しても出てこない」ときの切り分け】
公報のほかに、出願の経過情報や審査・審判書類も参照できますが、収録開始時期が異なります。古い案件が表示されない場合は、以下の範囲を確認してください。
- 経過情報:昭和39年(1964年)以降の出願
- 審査書類(特許・実用新案):平成2年(1990年)以降の出願
- 審判書類(特許・実用新案):平成12年(2000年)以降
出典:特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)、INPIT、https://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/index.html
【大学等向けの2つの実務ポイント】
- 公報固定アドレスサービス:大学等の利用者が公報番号を指定して、公報の文献単位PDFを直接参照できる無料サービスです。政府の知的財産推進計画2006に沿って提供されているもので、検索や認証の操作が不要になります。利用にはアクセス元IPアドレスの事前登録が必要なため、図書館または産学連携部門を通じて手続きしてください。<br>https://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/guide/gazette_url_for_university.html
- 30台以上のPCで実習を行う場合は、実施の2週間前までにINPITへ連絡が必要です。同時アクセスの集中により他の利用者の利用を妨げる可能性があるためです。学内で知財セミナーや情報検索実習を企画する際は、日程確定と同時に連絡を入れてください。<br>https://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/guide/index.html
【2029年1月に刷新が予定されています(2026年5月時点)】
特許庁とINPITは、2029年1月のJ-PlatPat刷新に向けて検討を進めており、2026年度に契約手続、2026〜2028年度に開発・リリースを予定しています。検索結果の上限とCSV出力上限が3,000件から30,000件へ拡充される一方、意匠外国公報の検索・照会は廃止、日本国周知・著名商標および不登録標章の検索機能も廃止(一覧表示化)が予定されています。現在これらの機能に依存した業務フローを組んでいる場合は、早めに代替手段を検討してください。<br>https://www.inpit.go.jp/j_platpat_info/renewal_20260508.html
2-6. 特許情報の調査を広げる資料・講習会(INPIT)
J-PlatPatの操作習得、海外データベースへの展開、新興国の制度情報まで、INPITが無料で提供している資料群です。いずれも登録不要または無料で利用できます。
- J-PlatPat講習会:受講料無料のオンライン講習会。全国どこからでも参加できます。初級(基本的な検索方法と注意点)に加え、特許・実用新案には中級(FI・Fタームなど特許分類の探し方と検索方法、特許調査における予備検索)があります。法域(特許・実用新案/意匠/商標)別に日程が分かれており、各回1か月〜1か月半前から申込受付、定員制です。<br>https://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/lecture/index.html
- パンフレット・マニュアル・講習会テキスト:操作マニュアル(全8章、一括版と章別分割版)、パンフレット、初心者向け講習会テキストがPDFで公開されています。操作マニュアルには英語版があり、海外の共同研究者や外国人研究員にそのまま渡せます。パンフレットとマニュアルは紙冊子の無料送付にも応じています(講習会テキストは対象外)。<br>https://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/reference/index.html
- 講師用テキスト(読み原稿付き):講習会で講師が使用したプレゼンテーション資料が、利用規約への同意と氏名・所属・メールアドレスの登録を条件に提供されています。所属組織内での非公開の講習会・勉強会で講師を務める際の使用が想定されており、学内やインキュベーター内で知財セミナーを企画する場合に、資料をゼロから作らずに済みます。公開型のセミナーで使う場合は事前相談が必要です。申込フォームは上記「パンフレット・マニュアル・講習会テキスト」のページ内にあります。
- 公的機関が提供する知財情報や技術情報のデータベース:WIPO(PATENTSCOPE等)、EPO(Espacenet)、USPTO、CNIPA、KIPRISなど各国・国際機関の無料データベースへの入口を、INPITが1ページに集約しています。海外の先行技術を調べる際は、まずここから該当国のDBに入るのが確実です。<br>https://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/reference/database.html
- 新興国等知財情報データバンク:アジアを中心に、中東・アフリカ・中南米などの知財実務情報を、国・地域別、カテゴリー別、法律別に整理したデータベースです。各国の制度・手続の違いや模倣被害、訴訟対応などの情報が国別ページにまとまっており、出願国を検討する段階で使えます。<br>https://www.globalipdb.inpit.go.jp/<br>(INPIT本サイト内の案内ページ:https://www.inpit.go.jp/katsuyo/globalipdb/index.html)
2-7. 国際出願関係手数料の軽減・支援措置
- 概要:PCT国際出願における調査手数料、国際出願手数料等の軽減措置
- 対象者:中小スタートアップ企業、大学等
- 公式URL:https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmensochi.html(減免制度総合ページ内「国際出願に関する手数料の軽減・支援措置」セクション)
2-8. 産業財産権専門官による出張支援
- 概要:特許庁職員が全国の中小企業・支援機関を訪問し知財マインド向上セミナーを実施。旅費・謝金不要
- 公式URL:https://www.jpo.go.jp/support/chusho/index.html(中小企業支援トップ内)
2-9. 知財功労賞
- 概要:知的財産権制度の発展に貢献した個人や、知財制度を活用した企業・機関を表彰
- 公式URL:https://www.jpo.go.jp/news/koho/tizai_koro/index.html
2-10. 特許出願技術動向調査
- 概要:特許庁が、新市場の創出が期待される分野を中心に技術テーマを選定し、特許情報に基づいて出願状況や研究開発の方向性を分析した調査。日本が優位にある分野、劣位にある分野を明示
- 対象者:誰でも(報告書はPDFで無料公開)
- 費用:無料
- 公式URL:https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html
【ライフサイエンス領域のテーマが毎年含まれます】
分野別調査・簡易型調査を通じて、次のようなテーマが取り上げられています。研究テーマや製品領域が一致する場合、競合分析や事業計画策定に資する資料です。
- mRNA医薬(令和6年度)
- ヒト幹細胞関連技術(令和4年度)
- 手術支援ロボット(令和3年度)
- マイクロRNA(miRNA)を利用した核酸医薬(令和7年度)
- ロボット介護機器(令和8年度に調査予定)
報告書は1テーマあたり300〜1,000頁程度で、講演動画と講演スライドが併せて公開されているテーマもあります。調査テーマの希望は特許庁のフォームで受け付けています。
3. JST(科学技術振興機構)の知財関連支援
3-1. 大学発新産業創出プログラム(START)
- 概要:大学等発スタートアップの起業前段階から、研究開発と事業育成のための公的資金と民間の事業化ノウハウを組み合わせ、事業戦略・知財戦略を構築し起業を目指す。複数サブプログラム(起業実証支援、ビジネスモデル検証支援、SBIRフェーズ1支援、大学・エコシステム推進型等)
- 対象者:大学等の研究者、大学・研究機関、事業プロモーター
- 公式URL:https://www.jst.go.jp/start/
- 特記事項:知財戦略構築が支援内容に明示的に含まれる稀少なプログラム
4. AMED(日本医療研究開発機構)の医療系知財支援
4-1. Medical IP Desk(医療分野の知財相談窓口)
- 概要:医療分野の知財コンサルタントが知財保護・活用に関する相談に無料で個別アドバイス。核酸医薬等の特定技術について明細書記載の具体的助言など、医療分野の特殊性に踏み込んだコンサルテーションが特色
- 対象者:AMED課題実施者を中心とした医療系研究者・大学・研究機関
- 費用:無料
- 公式URL(専用ページ):https://www.amed.go.jp/chitekizaisan/medical_ip_desk.html
- 知的財産支援全体トップ:https://www.amed.go.jp/chitekizaisan/
4-2. 実用化・知的財産支援(コンサルテーション・TPP策定支援)
- 概要:AMED課題関連成果について、外部委託機関による補足的な先行技術調査、出願状況調査、TPP(Target Product Profile)策定を実施。費用はAMED負担
- 公式URL:https://www.amed.go.jp/chitekizaisan/gaibu_hosokuchosa.html
- 特記事項:2025年9月10日に「TPP策定支援」を支援メニューに正式追加(同ページに明記)。TPP策定は医薬品・医療機器開発における導出戦略の根幹
- 関連:AMEDリエゾン https://www.amed.go.jp/chitekizaisan/chizai_riezon.html
- 知的財産教材:https://www.amed.go.jp/chitekizaisan/chizai_kyouzai.html
- FAQ:https://www.amed.go.jp/chitekizaisan/faq.html
5. 文部科学省の関連施策
5-1. オープン&クローズ戦略時代の大学知財マネジメント検討会(成果物)
- 概要:大学のオープン領域・クローズ領域の設定方針、知財マネジメントの在り方を提言した報告書。大学知財戦略の基礎文献
- 公式URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1368175.htm
5-2. 産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン【追補版】
- 概要:大学等における共同研究マネジメント手法、知財帰属、対価設定等のガイドライン
- 公式URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/main7_a5.htm(産学官連携ページ)
5-3. さくらツール
- 概要:共同研究成果の取扱い検討用ツール(フローチャート形式)
- 公式URL:文科省産学連携ページ https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/main7_a5.htm 配下
6. 経済産業省・中小企業庁の支援
6-1. 知財総合支援窓口(全国47都道府県/57箇所)
- 運営:INPIT(特許庁事業として運営管理)。セクション1で紹介したINPITの専門窓口群(アカデミア知財支援窓口、スタートアップ知財支援窓口等)は東京設置の専門テーマ別窓口であるのに対し、本窓口は全国57拠点に設置された地域密着型の総合窓口で、利用シーンが異なる
- 概要:全国57箇所に設置されたワンストップ相談窓口。窓口支援担当者と弁理士(月4回以上配置)・弁護士(月1回以上配置)・中小企業診断士等の専門家が対応。アイデア段階から事業展開、海外展開、係争対応までカバー
- 対象者:主に中小企業。専門家支援は中小企業要件を満たす企業・個人に限定されるため、大学そのものは専門家支援の直接利用に制約がある。一方、大学発スタートアップ(中小企業要件を満たす)は利用可能
- 費用:無料
- 公式URL:https://chizai-portal.inpit.go.jp/
- 全国共通ナビダイヤル:0570-082100
- セクション1との使い分け:大学・高専・国研の研究者やURAは、まずセクション1-1のアカデミア知財支援窓口を利用するのが適切。大学発スタートアップとして起業後は、本窓口の地域密着型支援と、セクション1-6のスタートアップ知財支援窓口を併用するのが効果的
6-2. 中小企業等海外出願支援事業
- 概要:中小企業等による外国出願の費用の1/2を補助。大学は対象外(INPIT外国出願補助金を利用のこと)
- 公式URL:https://www.jpo.go.jp/support/chusho/kaigai-shien_new-business.html
6-3. 中小企業庁「知的財産取引に関するガイドライン・契約書ひな形」
- 概要:知的財産取引適正化のためのガイドラインと契約書ひな形
- 公式URL:中小企業庁取引適正化ページ https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/ 配下(要最新確認)
7. JETRO(日本貿易振興機構)の海外知財支援
JETROの知財支援は原則「中小企業者」対象ですが、大学発スタートアップは中小企業要件を満たせば利用可能です。
各事業の一覧はJETROの「知的財産保護」ページにまとまっています。https://www.jetro.go.jp/services/ip_copy.html
7-1. 中小企業等海外侵害対策支援事業(模倣品対策)
- 概要:海外で産業財産権侵害を受けた中小企業等に対し、侵害調査・警告状作成・行政摘発・税関差止等の費用の2/3(上限400万円)を助成
- 公式URL:https://www.jetro.go.jp/services/ip_service.html
7-2. 冒認商標無効・取消係争支援事業
- 概要:海外で冒認出願された商標を取り消すための係争費用の2/3(上限500万円)を助成
- 公式URL:https://www.jetro.go.jp/services/ip_service_overseas_trademark.html
7-3. 防衛型侵害対策支援事業
- 概要:海外で権利侵害を指摘・訴訟提起された中小企業に対し、対抗措置費用の2/3(上限500万円)を助成
- 公式URL:https://www.jetro.go.jp/services/ip_service_overseas.html
7-4. 模倣品・海賊版被害相談窓口(無料)
- 概要:海外を中心とした模倣品・海賊版被害の相談を無料で受付
- 公式URL:https://www.jetro.go.jp/services/ip.html
7-5. 海外知財訴訟費用保険(特許庁補助)
- 概要:中小企業の海外知財訴訟費用保険加入時の掛金の1/2(更新時1/3)を補助
- 公式URL:https://www.jpo.go.jp/support/chusho/shien_sosyou_hoken.html
本ガイドの情報は2026年5月時点の調査に基づいています。各事業の予算は単年度ベースで変動するため、申請前には必ず各公式サイトで最新の公募要領・条件を確認してください。「要最新確認」と記載のURLは、調査時点で一般的に参照される公式URLですが、サイト構成変更の可能性があるため、利用時に改めてアクセスを確認することを推奨します。
研究フェーズ別 知財支援マップ
| ◀ 研究フェーズ | テーマ | 対応する主な公的支援 ▶ |
|---|---|---|
| 研究着想・初期段階 | 知財教育・ルール整備 | INPIT アカデミア知財支援窓口 iAca(スキーム①)/ IP ePlat |
| 発明・出願段階 | 先行技術調査・料金軽減 | J-PlatPat / 特許料減免(大学等1/2) 知財総合支援窓口 / AMED Medical IP Desk |
| 権利化・審査段階 | 早期権利化 | スーパー早期審査 / 面接活用早期審査 |
| 出口戦略・事業化 | 市場探索・ライセンス | iAca(スキーム②③)/ iNat IPランドスケープ支援 |
| 起業(SU創出) | ビジネス×知財戦略 | IPAS / IP BASE / JST START |
| 成長・海外展開 | 外国出願・模倣品対策 | INPIT外国出願補助金(大学等も対象) JETRO海外侵害対策 / 海外知財訴訟費用保険 |
| 全フェーズ共通(常時無料) | INPIT アカデミア知財支援窓口 / J-PlatPat / IP ePlat | |