アカデミア発スタートアップ 支援機関・プログラム ガイド
ライフサイエンス・ヘルスケア領域で、アカデミア発スタートアップの創出・成長(起業前から起業後まで)を支える主要な公的支援を、機関別に整理しました。
医薬品・医療機器・再生医療等製品・ヘルスケア領域で、アカデミア発スタートアップの創出・成長を目的とする支援(起業前から起業後まで)を機関別に整理しています。「アカデミア発スタートアップ」とは、大学に加え、国立研究開発法人等の研究機関の研究成果をもとに設立されるスタートアップを指します。
- 各機関の包括的な支援メニューは、機関別リスト(AMED支援リスト/NEDOスタートアップ支援リスト)をご覧ください。
- アカデミア発に限らないスタートアップ全般・起業前の研究者向けの支援は、公的支援機関リストやアカデミア研究者がPIとして応募可能なグラントリストなど、別ページで扱っています。
- 掲載情報は各機関の公募要領等の一次情報に基づきますが、金額・要件は公募年度ごとに変わります。応募時は必ずリンク先の最新情報をご確認ください。
目次(Contents)
- 1. アカデミアの産学連携・起業支援組織
- 2. JST(科学技術振興機構)
- 3. AMED(日本医療研究開発機構)
- 4. アカデミア系VC等
- 5. 地域プラットフォーム(大学発スタートアップ・エコシステム)
- 6. 医療系・アカデミア発に固有の支援基盤
- 7. アカデミア発も活用できる支援(NEDO・中小機構ほか)
- 8. 参考資料
- 9. 関連JPROページ
1. アカデミアの産学連携・起業支援組織
アカデミア発スタートアップを目指すとき、何から始めればよいか分からないという声は少なくありません。最初の一歩は、まず自分の所属機関(大学・国立研究開発法人等)の産学連携・知財の窓口に相談することです。
研究成果に基づく発明(特許等)は、職務発明として通常は所属機関が権利を承継し、機関が権利者となるのが一般的です。知財に限らず、研究成果の社会実装を支援することは産学連携部門の職務ですので、積極的に活用しましょう。
所属機関には一般に、次のような起業・事業化を支える組織・仕組みがあります。
大学の産学連携・起業支援組織
- 産学連携本部/URA部門:共同研究・シーズ発掘の窓口
- 知的財産部門:発明評価・特許出願・知財戦略
- TLO(技術移転機関):特許化と企業へのライセンス(承認・認定TLOの一覧は特許庁が公開)
- インキュベーション施設・スタートアップ支援拠点:起業空間・メンタリング。大学独自の施設のほか、中小機構(中小企業基盤整備機構)が大学・自治体と連携して整備・運営する「大学連携型起業家育成施設」が多くあります(常駐のインキュベーションマネージャーによる支援、産学官ネットワークの活用が可能)
- ギャップファンド:研究と事業化の間を埋める学内資金(JST等の事業を活用して運用)
- 大学系VC(アカデミア系VC等。第4章参照)
- アントレプレナーシップ教育プログラム
- (医療系大学)臨床研究推進センター等:橋渡し研究・臨床研究の推進
TIPS:知財は、まず所属機関の知財部門へ相談を
研究成果に基づく発明は職務発明にあたることが多く、その場合の権利者は所属機関になります。そのため、外部に相談しても、特許化や活用の判断・裁量は最終的に所属機関に委ねられます。知財については、まず所属機関の知財部門に相談するのが原則です。また、発明届を出すことが産学連携部門の支援着手のトリガーになる機関も多いので、早めの提出が次の支援につながります。
TIPS:大学によっては大学発スタートアップとして認定制度を設けており、認定されることで様々な支援が受けられる場合があるので積極的に検討しましょう。
国立研究開発法人の技術移転・事業化組織
国立研究開発法人にも、大学のTLO・産学連携本部に相当する技術移転・事業化組織があります。
- 産総研(AIST):イノベーション推進本部 ベンチャー開発・技術移転センターが技術移転を担い、産総研技術の事業化を目指すベンチャーに「産総研技術移転ベンチャー」の称号を付与(知財の独占的実施権許諾等の支援)。技術移転はベンチャー開発・技術移転センターが担います。
- 理研(RIKEN):研究成果の権利化・社会実装(技術移転・事業化)を担う100%出資子会社(株式会社理研イノベーション)があります(理研 産業連携・スタートアップ支援)。
医療系の国立研究開発法人(国立がん研究センター等)は、橋渡し研究支援機関・臨床研究中核病院として第6章でも扱っています。個別機関の網羅は本ページでは行いません。
※ 知財面の公的支援はアカデミア研究者・産学連携部門のための知財に関する公的支援、産学連携契約はアカデミア研究者のための産学連携契約ガイドもご参照ください。
2. JST(科学技術振興機構)
JSTの「大学発新産業創出基金事業」は、アカデミアの研究成果をもとにした起業を目的とする事業です。複数のメニューのうち、ここでは起業(設立)を前提とする枠を取り上げます。事業全体は大学発新産業創出基金事業(JST)をご覧ください。
※ 本事業の対象は「大学等」です。JSTの公募要領では「大学等」を大学・高等専門学校・公的研究開発機関・公益財団法人・公益社団法人等と定義しており、国立研究開発法人(公的研究開発機関)も含まれます(出典:可能性検証 2023年度 公募要領)。名称は「大学発」ですが、制度上はアカデミア発を広く対象としています。
可能性検証(起業挑戦タイプ)
研究成果をもとに起業の可能性を検証する、ごく初期段階の研究開発支援です。「起業挑戦」と「企業等連携」の2タイプのうち、本ページの対象は起業挑戦タイプです(企業等連携タイプは既存企業への技術移転が目的のため対象外)。医療分野は、企業等連携タイプは原則対象外(AMEDが担当)ですが、起業挑戦タイプは対象です。
支援規模の目安: 上限600万円(総額、間接経費含む。研究開発期間は最長2年度)
※ 可能性検証は、現在は新規公募を行っていません(2026年6月時点)。最新の公募状況はリンク先でご確認ください。
プロジェクト推進型(起業実証支援)
起業を目指す研究開発を、民間の事業化ノウハウと組み合わせて支援します。起業前から創出に向けて伴走するメニューです。
支援規模の目安: 上限3,000万円/年(直接経費、最長2年半程度)(令和7年度時点)
早暁(そうぎょう)プログラム
アカデミア発スタートアップの創業に向けた、ごく初期の人材・チーム形成を支援するメニューです(令和6年度開始)。
支援規模の目安: ステージ1 上限60万円程度/ステージ2 上限500万円程度(令和7年度公募時点。ステージ・回により異なる)
ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム(D-Global)
国際展開を見据えたディープテック・スタートアップの創出を支援します。研究代表者とVC等(事業化推進機関)が共同代表で応募する、起業前のプログラムです。
支援規模の目安: 原則3億円程度/研究開発期間(正当な理由がある場合は上限5億円、最長3年程度)(令和7年度時点)
プロジェクト推進型 SBIRフェーズ1支援
各省庁が提示する研究開発テーマに対し、大学等の研究者がPoC・実現可能性調査を行い事業化を目指すプログラムです(正式名称:大学発新産業創出プログラム(START)プロジェクト推進型 SBIRフェーズ1支援)。本ページの観点では、出口として研究者自身による起業を選ぶ応募が該当します(もう一つの出口である「設立15年以内の既存中小企業への技術移転」は設立を目的としないため対象外)。
支援規模の目安: 上限750万円(直接経費)
※ テーマは各省庁が指定する方式で、年度・回によって対象分野が変わります。ライフサイエンス/ヘルスケア関連のテーマが設定されない回もあるため、応募前に最新の募集テーマをご確認ください。
3. AMED(日本医療研究開発機構)
医療分野(医薬品・医療機器・再生医療等製品)で、アカデミア発スタートアップの設立・成長を直接の目的に掲げるのが、AMEDの「大学発医療系スタートアップ支援プログラム」(橋渡し研究プログラム)です。これを中核に紹介します。
※ AMEDの研究助成全体(橋渡し研究支援プログラムのシーズA〜C、各疾患領域の助成等)は、起業を必須としないアカデミア向けのシーズ育成・実用化支援が中心です。これらはAMED支援リストで扱います。
橋渡し研究プログラム(大学発医療系スタートアップ支援プログラム)
アカデミア(大学等)の医療系シーズを起業前提で、起業前の非臨床研究等から資金面・専門面で支援するプログラムです。次の3つのシーズ枠で構成されます(要件・金額は拠点・年度により異なる/令和7・8年度時点)。
- シーズS0:起業を目指す若手研究者(おおむね43歳未満等)の発掘・育成(起業前)。特許出願など起業に必要な要件を見極めながらシーズを育てる段階。支援規模の目安:約1,000万円/年程度
- シーズS1:起業を目指す研究者の起業前支援。フィージビリティ・スタディや起業に必要な人材確保等を支援。支援規模の目安:約3,000万円/年程度
- シーズS2:起業直後のスタートアップ(原則として起業から5年以内・国内未上場)の支援。自走可能な民間資金の獲得を目指す段階。支援規模の目安:約1.5億円/年程度
このプログラムを実施する「SU支援拠点」は4拠点です
全国に12ある橋渡し研究支援機関(文部科学大臣認定。→第6章で解説)のうち、起業支援に特化した4機関が本プログラムを実施します(12機関すべてが拠点ではない点に注意)。
TIPS:SU支援拠点で採択されると、助成金だけでなく、伴走支援が受けられるので非常に有益です。積極的に活用したいところです。
4. アカデミア系VC等
アカデミア(大学・国立研究開発法人等)の研究成果をもとにしたスタートアップに投資・出資する主体を扱います。中心は大学が出資・関与して設立した大学系VCで、研究成果の社会実装を目的とする投資主体です。投資先は設立母体の大学を中心としつつ、他の国立大学発・研究機関発にも広げているVCが多くあります(投資範囲は各VCで異なる)。あわせて、近年整備された国立研究開発法人の出資・事業化機能も紹介します(これは厳密にはVCではなく、国研の事業化子会社・出資制度です)。
大学との資本関係は大きく2型です。①大学子会社型(大学が出資して設立した子会社。国立大学に多い)と、②関与型(直接出資の子会社ではなく、承認・関連会社・合弁等で関与)。
① 大学子会社型(大学法人が出資して設立した子会社)
国立大学では、産業競争力強化法に基づく官民イノベーションプログラムの枠組みで、大学が出資するVCが設立されています。
- 東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC):東京大学が出資して設立した投資事業会社(官民ファンド/2016年設立)。東大の研究成果・人材を活用したスタートアップが中心。地域横断のファンド(ASAファンド等)でより広域のディープテック育成も支援します。
- 京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP):京都大学の100%出資により設立された子会社(京都大学 成長戦略本部の記述による)。京都大学を中心に、国立大学の研究成果の実用化を目指すスタートアップに投資します。
- 大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC):大阪大学の100%出資子会社(大阪大学 共創機構の記述による)。大阪大学および他の国立大学の研究成果を活用したベンチャーに投資します(創薬・医療サービス等を重点分野に設定)。
- 東北大学ベンチャーパートナーズ(THVP):東北大学が出資して設立した子会社(東北大学の設立発表による。認定特定研究成果活用支援事業者)。東北圏域の大学発スタートアップを投資範囲とします。
② 関与型(大学が承認・関連会社・合弁等を通じて関与)
大学本体が直接出資する子会社ではなく、承認・関連会社・合弁といった形で大学が関与するVCです。
- 東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC):2004年設立。東京大学をはじめ国内外の大学・研究機関と連携し、技術系スタートアップにシード/アーリーから投資する主要な大学系VCで、アカデミア発の有力な資金調達先の一つです。東京大学が承認する「技術移転関連事業者」で、東京大学の産学連携支援基金を通じて設立され、その後、東大が同基金から株式の寄附を受領したとされます。大学本体の出資子会社ではなく、経営陣が運営する独立性の高い形態で、運用資金は主に機関投資家から調達します(出資比率は非公開)。
- ※ 同じ東大系でも、東大IPCは東京大学の出資子会社、UTECは東京大学の「承認」を受けた独立の事業者で、資本関係が異なります。
- 慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)(2015年設立):当初は慶應中心でしたが、2号ファンド以降は慶應に限らず大学・研究機関発の技術系スタートアップに投資対象を拡大。慶應義塾の直接出資子会社ではなく、慶應学術事業会(80%)と野村ホールディングス(20%)の合弁会社(慶應義塾 三田評論による。私立大学では先駆的な大学系VC)です。各ファンドには学校法人慶應義塾がLPとして直接参加しています。
③ 国立研究開発法人の出資・事業化機能
近年の法改正(科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律)で、国立研究開発法人も研究成果を活用した企業への出資が可能になりました。大学系VC(投資ファンドの運営会社)とは異なり、国研の事業化子会社・出資制度という形をとります。LS/HCを含む国研発スタートアップの、資金・事業化支援の入口です。
- 産総研(AIST):100%出資子会社のAIST Solutions株式会社(2023年4月設立)が、産総研グループのスタートアップの事業共創・資本増強を支援。産総研自身も出資制度を持ち、技術移転ベンチャーへの出資実績があります。
- 理研(RIKEN):権利化・事業化を担う100%出資子会社(株式会社理研イノベーション/2019年12月設立)があります。あわせて、研究成果を活用する未上場企業(原則設立10年未満)へのスタートアップ支援制度も持ちます。
TIPS:自機関に関連VCがあれば有利であることは間違いありません。まずは産学連携部門に相談してみましょう。
※ 上記は、アカデミア発スタートアップが資金・事業化で活用しうる主な投資・出資主体の代表例です。ほかにも大学・研究機関が出資・関与するファンドや出資制度があります。各機関の資本構成・投資範囲は時点や方針で変わるため、最新情報は各機関の公式情報をご確認ください。資金調達全体の進め方は資金調達方法を知るで扱います。
5. 地域プラットフォーム(大学発スタートアップ・エコシステム)
アカデミア発スタートアップの創出を、地域単位で支える基盤が地域プラットフォームです。JSTの「大学発新産業創出基金事業」のうちスタートアップ・エコシステム共創プログラムでは、大学等が複数機関で連携して形成したプラットフォームを支援します(研究者個人・単独機関は応募単位になりません)。
重要なのは、採択されたプラットフォームがGAPファンドプログラム等を運営し、個々の研究者の起業(アカデミア起業)を直接支援する点です。技術シーズの発掘・選考を経て、研究代表者へのGAPファンド(研究開発費)の配賦、起業ノウハウの学習、ビジネスモデルのブラッシュアップ、人材マッチングやEIR制度によるCxO人材の供給、メンタリング等が提供されます。アカデミア発スタートアップを目指す研究者にとって、自分の所属機関が参加する地域プラットフォームのプログラムは、身近で実践的な起業支援になります。
プラットフォームはいずれも大学等が主幹しており、アカデミアが直接関与する取り組みです。全国を地域ごとにカバーしており、北海道から九州・沖縄まで以下のプラットフォームが採択されています(主幹機関・対象地域は2026年3月時点の一次情報。最新の参画機関・公募内容は各公式サイトをご確認ください)。
拠点都市プラットフォーム共創支援
- 北海道:北海道未来創造スタートアップ育成相互支援ネットワーク(HSFC)。北海道大学が主幹。
- 東北・新潟:みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム(MASP)。東北大学が主幹。
- 首都圏:Greater Tokyo Innovation Ecosystem(GTIE)。東京大学・早稲田大学・東京科学大学が主幹。
- 東海:Tokai Network for Global Leading Innovation(Tongali)。名古屋大学が主幹(東海地域16機関)。
- 関西:関西スタートアップアカデミア・コアリション(KSAC)。京都大学が主幹。
- 中四国:Peace & Science Innovation Ecosystem(PSI)。広島大学が主幹。
- 九州・沖縄:Platform for All Regions of Kyushu & Okinawa for Startup-ecosystem(PARKS)。九州大学・九州工業大学が主幹。2029年度末までに独自のVC・ファンドを運用するPARKSインターユニバーシティの創設を目指す。
地域プラットフォーム共創支援
- 北陸:Tech Startup HOKURIKU(TeSH)。北陸先端科学技術大学院大学・金沢大学が主幹(北陸3県)。
- 甲信・北関東:Inland Japan Innovation Ecosystem(IJIE)。信州大学が主幹。
全国ネットワーク
- National Innovation Network for Entrepreneur Japan(NINEJP):上記の各地域プラットフォームが参画し、研究シーズ・人材情報のデータベース整備や海外拠点の共同利用等を進める全国ネットワークです。
プログラムの詳細はスタートアップ・エコシステム共創プログラム(JST)、全国の採択状況は採択プラットフォーム一覧(JST)をご覧ください。
TIPS:地域プラットフォームは、ライフサイエンスやヘルスケアに特化しているわけではないため、専門的な相談というよりも、アーリーフェーズでのGAPファンドの活用が主になります。
6. 医療系・アカデミア発に固有の支援基盤
医療系(医薬品・医療機器・再生医療等製品)のアカデミア発スタートアップは、一般のスタートアップにはない開発を前に進めるための体制・拠点を活用できます。資金そのものではなく、シーズ発掘から臨床研究・治験までを一体的に支える基盤です。医療系の事業化は薬事規制対応や臨床試験を伴うため、その活用が成否を分けます。以下、全体像(革新的医療技術創出拠点)→構成要素(橋渡し研究支援機関=シーズ発掘・育成、臨床研究中核病院=臨床研究・治験)の順に説明します。
- 革新的医療技術創出拠点:橋渡し研究支援機関(文科省)と臨床研究中核病院(厚労省)を一体運用し、基礎研究から実用化まで一貫支援する体制です。次の2つの基盤を束ねる全体の枠組みにあたります。
- 橋渡し研究支援機関(文部科学大臣認定):基礎研究シーズを発掘・育成し、臨床研究・実用化につなぐ全国の拠点で、現在12機関が認定されています(北海道大学/東北大学/筑波大学/国立がん研究センター/東京大学/慶應義塾/藤田学園/名古屋大学/京都大学/大阪大学/岡山大学/九州大学)。このうち4機関(筑波大学・国立がん研究センター・慶應義塾・九州大学)が、大学発医療系スタートアップ支援プログラム(→第3章 AMED)のSU支援拠点です。橋渡し研究支援機関自体は起業を必須とせずシーズの実用化を広く支援する点が、起業前提の4拠点との違いです。
- 臨床研究中核病院(医療法に基づく厚生労働大臣承認):国際水準の臨床研究・医師主導治験の中核病院です(2025年3月時点で15病院)。治験・臨床研究を進める際の実施基盤になります。さらに、2016年の厚生労働省の懇談会報告書(医療のイノベーションを担うベンチャー企業の振興に関する懇談会)の提言を受け、各病院の臨床研究推進センター等に医療系ベンチャー(スタートアップ)支援の相談窓口が設けられています。臨床開発・薬事・知財・治験などを相談できます(窓口名・支援内容は病院により異なる)。
- ARO(Academic Research Organization):臨床研究中核病院等の内部に置かれる臨床開発支援組織で、試験デザイン・データマネジメント・モニタリング・薬事対応等を担います。各病院の臨床研究推進センター等がこれにあたり、臨床開発を実務面で支えます。
TIPS:治験・薬事を見据えるなら、臨床研究中核病院のベンチャー窓口に早めに相談を
医薬品・医療機器・再生医療等製品は、早い段階で臨床試験設計や薬事方針を固めるほど後戻りが減ります。各臨床研究中核病院のベンチャー支援窓口は、臨床開発・薬事・知財・治験の相談に応じます。
※ 薬事戦略相談(PMDA)の活用方法は、PMDA RS相談活用のススメで扱っています。医療機器の該当性判断は医療機器該当性確認ガイドもご参照ください。
7. アカデミア発も活用できる支援(NEDO・中小機構ほか)
「アカデミア発」を明示した支援ではありませんが、アカデミア発スタートアップも活用できる、設立前提の汎用支援です。詳細は各ページへ誘導します。
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO):研究開発型・ディープテックのスタートアップ向けに、起業家育成(NEP)や実用化開発(DTSU)等を実施。ただし医薬品・再生医療等製品の開発は原則対象外(創薬支援技術・医療機器等は対象)。→ JPRONEDOスタートアップ支援リスト
- 中小企業基盤整備機構(中小機構):起業予定者・スタートアップ向けの無料相談やアクセラレーション(FASTAR)。業種を問わない汎用支援です(バイオ関連は創業10年以内まで対象とする例外あり)。→ JPRO公的支援機関リスト
TIPS:公的機関の支援はたくさんあります。まずはJPROの公的支援機関リストや公的な助成金、補助金の活用を参照すると良いでしょう。
8. 参考資料(Reference materials)
- 大学発新産業創出基金事業(JST):https://www.jst.go.jp/program/startupkikin/
- スタートアップ・エコシステム共創プログラム(JST):https://www.jst.go.jp/program/startupkikin/su-ecosys/index.html
- 橋渡し研究プログラム(大学発医療系スタートアップ支援プログラム)(AMED):https://www.amed.go.jp/program/list/16/01/014.html
- 橋渡し研究支援機関認定制度(文部科学省):https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/hashiwatashi/index.htm
- 革新的医療技術創出拠点 拠点一覧(AMED):https://www.amed.go.jp/program/list/16/01/012_kyoten_ichiran.html
- 臨床研究中核病院について(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tyukaku.html
- 承認・認定TLO(技術移転機関)一覧(特許庁、2026年4月1日現在):https://www.jpo.go.jp/toppage/links/tlo.html
- インキュベーション施設(大学連携型起業家育成施設等)(中小機構):https://www.smrj.go.jp/incubation/index.html
- 産総研 スタートアップ支援・出資制度:https://www.aist.go.jp/aist_j/business/alliance/startup/index.html
- 理研 スタートアップ支援:https://www.riken.jp/collab/startup/
- スタートアップ支援(NEDO):https://www.nedo.go.jp/activities/startups/index.html
9. 関連JPROページ(Related JPRO Pages)
- 機関別リスト:AMED支援リスト/NEDOスタートアップ支援リスト
- 資金調達:資金調達方法を知る/公的な助成金、補助金の活用
- アカデミア向け:アカデミア研究者がPIとして応募可能なグラントリスト/アカデミア研究者・産学連携部門のための知財に関する公的支援/アカデミア研究者のための産学連携契約ガイド
- 公的支援全般:公的支援機関リスト
- 薬事・医療機器:PMDA RS相談活用のススメ/医療機器該当性確認ガイド