医薬品一般的名称設定のガイドライン
国際市場への進出を目指す日本の医薬品開発スタートアップ向け
医薬品の一般的名称体系
| 項目 | INN (国際一般名称) | JAN (日本医薬品一般的名称) | USAN (米国一般名称) |
|---|---|---|---|
| 主管組織 | 世界保健機関 (WHO) | 厚生労働省 (PMDA) | USAN評議会 (AMA等) |
| 役割 | グローバル標準。患者安全と科学的コミュニケーションを確保。 | 国内での医薬品識別。原則としてINNに準拠。 | 米国内での医薬品識別。INN取得への主要ゲートウェイ。 |
参照URL
- International Nonproprietary Names, WHO: https://www.who.int/teams/health-product-and-policy-standards/inn
- 医薬品一般的名称の取扱いについて, 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6442&dataType=1&pageNo=1
- United States Adopted Names, AMA: https://www.ama-assn.org/about/united-states-adopted-names-usan
ステムシステム:医薬品のアイデンティティ
ステム(Stem)とは?
薬理学的に関連のある医薬品群に共通して用いられる特定の文字列(語幹)です。医療従事者は名称から薬のグループを直感的に理解できます。
-vastatin: HMG-CoA還元酵素阻害薬-prazole: プロトンポンプ阻害薬-mab: モノクローナル抗体
命名の一般原則
ステムの使用に加え、すべての候補名は以下の原則を遵守する必要があります。
- 明快性と独自性: 発音しやすく、覚えやすい。
- 非暗示性: 特定の治療効果を示唆しない。
- 国際的な発音への配慮
名称設定プロセス・タイムライン
社内準備から最終登録まで約18〜28ヶ月を要します。
1. 準備
2-4ヶ月
2. 国内相談
1-2ヶ月
3. 国際申請
2-3ヶ月
4. WHOレビュー
6-9ヶ月
5. 異議申立
4ヶ月
6. rINN勧告
2-3ヶ月
7. JAN届出
1ヶ月
成功のためのキーポイント
① 徹底的な事前調査
命名プロセスで最大のリスクは、既存の商標や名称との抵触です。候補名(特に「称呼」=読み方)が類似商標と抵触しないか徹底的に調査します。
② 早期着手と開発計画への統合
名称決定は18ヶ月以上を要するクリティカルパスです。遅くとも第II相臨床試験の開始時点には始動させ、開発計画全体で管理すべきです。
③ USAN申請をゲートウェイに
米国で臨床開発を行う場合、USAN申請がINN取得への最も効率的なルートとなります。グローバル展開の標準的な経路です。
PMDAの相談窓口を有効活用する
WHOへの国際申請の前に、PMDAの無料相談を活用することは、有効なリスクヘッジ手段です。
INN申請相談について
この相談を通じて、日本の規制当局の見解を事前に得ることができ、国際レビュー過程での不確実性を大幅に低減できます。第II相臨床試験段階での実施が最適です。
参照URL
国際一般名称(INN)申請相談, PMDAご利用にあたって
当ページは、公開された情報や過去の経験から作成されたものです。
実際の名称設定・申請に当たっては、必ず最新情報を参照の上、PMDA等に相談してご対応ください。