医療機器のクラス分類(I〜IV)|一覧と調べ方
日本の医療機器は、不具合が生じた場合に人体へ与えるリスクの程度に応じて4つのクラス(I〜IV)に分類され、クラスごとに必要な薬事手続き(届出・認証・承認)が変わります。さらに、取得すべき製造販売業許可の種別もクラスに連動します。本ページでは、クラスI〜IVの定義・規制・製造販売業許可・具体例を一覧表で俯瞰したうえで、各クラスの内容、プログラム医療機器(SaMD)での例外、クラス分類が確認フローのどこに位置づくか、そして自分で判断がつかない場合の相談先(PMDA)までを整理します。
製品開発では、まず医療機器への該当性を確認し、次に一般的名称を特定し、そこからクラス分類を確認していくのが基本的な順序です。ただし、一般的名称が確定できない段階では、クラス分類も定まらないことが少なくありません。もっとも、クラス分類には一定のルールがあるため、一般的名称が未確定でもある程度の見当をつけることはできます。最終的にはPMDAに相談して確認しましょう。
目次(Contents)
- 1. クラス分類の基本(薬機法とGHTFルール)
- 2. クラス分類・規制・製造販売業許可の一覧
- 3. クラスI:一般医療機器
- 4. クラスII:管理医療機器
- 5. クラスIII:高度管理医療機器
- 6. クラスIV:高度管理医療機器
- 7. プログラム医療機器(SaMD)のクラス分類
- 8. クラス分類の見当の付け方
- 9. クラス分類を確認したい場合の相談先(PMDA)
- 10. 参考資料(Reference materials)
- 11. 関連JPROページ(Related JPRO Pages)
1. クラス分類の基本(薬機法とGHTFルール)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)において、医療機器は、不具合が生じた場合に人体に与えるリスクの程度に応じて、4つのクラスに分類されています。日本の医療機器クラス分類は、GHTF(Global Harmonization Task Force/医療機器規制国際整合化会議)のクラス分類ルールに準じています。
クラスが上がるほど人体へのリスクが高いとされ、求められる薬事手続き(届出 → 認証 → 承認)も厳格になります。日本におけるクラス分類の考え方は、GHTFルールを基礎として通知で示されています。
高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器に係るクラス分類のルールについては、医療機器規制国際整合化会議(GHTF)において議論されているクラス分類ルールを基本に、(局長通知)の別紙1において示しているところである。
出典:「高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器に係るクラス分類ルールの改正について」厚生労働省医薬食品局長 平成25年5月10日 薬食発0510第8号 https://www.pmda.go.jp/files/000242914.pdf
クラスI〜IVのリスクの大小と、一般/管理/高度管理医療機器の区分、届出・第三者認証・大臣承認の対応は、厚生労働省が一枚のスライドで整理しています。
出典:「医療機器の薬事承認等について」厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/zaitaku5.pdf
2. クラス分類・規制・製造販売業許可の一覧
クラスI〜IVと、薬機法上の区分、市販前に必要な手続き、製造販売業許可の関係を一覧にすると次のとおりです。
| クラス | 薬機法上の区分 | リスクの程度 | 市販前の手続き | 必要な製造販売業許可 | 代表例 |
|---|---|---|---|---|---|
| クラスI | 一般医療機器 | 極めて低い | PMDAへの届出 | 第三種以上 | メス、ピンセット、聴診器、救急絆創膏、ガーゼ |
| クラスII | 管理医療機器 | 比較的低い | 登録認証機関による認証(認証基準のないものは大臣承認) | 第二種以上 | MRI装置、超音波診断装置、電子体温計、電子血圧計、注射針、補聴器 |
| クラスIII | 高度管理医療機器 | 比較的高い | 厚生労働大臣の承認(認証基準のあるものは第三者認証も可) | 第一種 | 人工呼吸器、透析器、人工関節、血管用カテーテル、コンタクトレンズ |
| クラスIV | 高度管理医療機器 | 極めて高い(生命の危険に直結しうる) | 厚生労働大臣の承認(審査は最も厳格) | 第一種 | 心臓ペースメーカー、植込み型除細動器、人工心臓弁、冠動脈ステント |
出典:「医療機器」独立行政法人医薬品医療機器総合機構 「医療機器製造販売と医療機器クラス分類の関係は?」 https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0028.html
医療機器の製造販売業許可は、取り扱う医療機器のクラスに応じて第一種・第二種・第三種に分かれます。第一種はクラスI〜IVのすべて、第二種はクラスIとII、第三種はクラスIのみを製造販売できます。したがって上の表の「必要な製造販売業許可」は、そのクラスの製品を扱うために最低限必要な許可を示しています。
第二種…クラスⅠ(一般医療機器)とクラスⅡ(管理医療機器)のみを製造販売できる。第三種…クラスⅠ(一般医療機器)のみ製造販売できる。
出典:「医療機器製造業登録・製造販売業許可が必要な範囲と取得方法について」京都府健康福祉部薬務課(京都府薬事支援センター) https://www.ki21.jp/kobo/r3/kyomed/kyoto_iryoukiki_panfu.pdf
なお、製造販売業許可の許可権者は各都道府県知事であり、申請は所在地の都道府県薬務主管課に提出します。品目ごとの承認・認証・届出(PMDA・登録認証機関)とは申請先が異なる点にご注意ください。
3. クラスI:一般医療機器
- 定義:不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるもの。
- 規制:PMDAへの製造販売「届出」が必要です。承認や認証は不要です。
- 具体的な例:
- 手術用器具:メス、ピンセット、鉗子、ハサミ
- 診断用具:聴診器、舌圧子
- 衛生材料:救急絆創膏、ガーゼ
- その他:X線フィルム、歯科技工用器具の多く
4. クラスII:管理医療機器
- 定義:不具合が生じた場合に、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの。
- 規制:法律に基づいて登録された第三者認証機関による「認証」が必要です(一部、承認が必要な品目もあります)。
- 具体的な例:
- 画像診断システム:MRI装置、超音波診断装置、CTスキャナ
- 生体情報モニタ:電子体温計、電子血圧計、心電計
- 処置用器具:消化器用カテーテル、注射針
- その他:家庭用マッサージ器、補聴器、電子内視鏡
5. クラスIII:高度管理医療機器
- 定義:不具合が生じた場合に、生命や健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、その適切な管理が必要とされ、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの。
- 規制:厚生労働大臣による製造販売「承認」が必要です。承認申請にあたっては、臨床試験の成績に関する資料の提出が必要となる場合があります。
- ただし、クラスIIIのうち認証基準が定められているものについては、登録認証機関による「認証」を受けることが可能です。クラスIIIだからといって、必ずしも大臣承認になるとは限りません。
- 具体的な例:
- 生体機能補助・代行装置:人工呼吸器、透析器、輸液ポンプ
- インプラント製品:人工骨、人工関節、歯科用インプラント
- 処置用器具:血管用カテーテル、レーザー手術装置
- その他:血液や組織と長期間接触するコンタクトレンズ
なお、2014年11月25日より、クラスIIIの高度管理医療機器のうち、認証基準のあるものについては、第三者認証機関による認証が可能となりました。
出典:「医療機器」独立行政法人医薬品医療機器総合機構 「医療機器製造販売と医療機器クラス分類の関係は?」 https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0028.html
6. クラスIV:高度管理医療機器
- 定義:副作用又は機能の障害が生じた場合において、生命の危険に直結するおそれがあることから、特に慎重な管理が必要とされる、患者への侵襲性が高く、人体へのリスクが極めて高いと考えられるもの。
- 規制:クラスIIIと同様に、厚生労働大臣による製造販売「承認」が必要です。承認審査は最も厳格に行われます。
- 具体的な例:
- 心臓・血管系インプラント:心臓ペースメーカー、植込み型除細動器、人工心臓弁、冠動脈ステント
- 脳・神経系デバイス:脳深部刺激装置
- その他:人工心肺装置、生物由来原料を用いた製品
※クラスIII・IVはいずれも「高度管理医療機器」に区分されます。
7. プログラム医療機器(SaMD)のクラス分類
プログラム医療機器についても、クラス分類の判定は上記のGHTFクラス分類ルールに則って行われます。ただし、一般医療機器(クラスI)に相当するプログラムは、医療機器の範囲から除かれます。したがって、有体物であればクラスIとして届出の対象となる程度の機能であっても、プログラムの場合は医療機器に該当せず、薬機法の規制対象外となります。上の一覧表のうちクラスIの行は、プログラム医療機器には適用されない点にご注意ください。
なお、上記3に記載のとおり、一般医療機器(クラスⅠ医療機器)に相当するプログラムは、医療機器の範囲から除かれる。
出典:「プログラムの医療機器該当性に関するガイドラインの一部改正について」厚生労働省 令和5年3月31日 薬生機審発0331第1号・薬生監麻発0331第4号 https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001082227.pdf
規制対象外であることは、何を表示してもよいことを意味しません。同ガイドラインは、医療機器ではないプログラム(クラスI相当のプログラムを含む)について、利用者の誤解を防ぐため、疾病の診断・治療・予防に使用されることを目的としていない旨、または医療機器ではない旨の表示を行うことが望ましいとしています。プログラム医療機器のリスクの程度の考え方は、クラス分類ルール通知を補足する形で、次の資料に整理されています。
出典:「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」厚生労働省医薬・生活衛生局 令和3年3月31日(令和5年3月31日一部改正) 「6:人の生命及び健康に影響を与えるリスクの程度の考え方」 https://www.pmda.go.jp/files/000240233.pdf
8. クラス分類の見当の付け方
クラス分類は、製品ごとに個別に定められているのではなく、一般的名称(JMDN)ごとに定められています。したがって、自社製品のクラスを知る最短経路は、まず該当する一般的名称を特定することです。
- 製品の使用目的・作用原理・侵襲の有無を整理する
- 類似する既存製品を探し、その一般的名称を確認する
- その一般的名称に紐づくクラス分類を確認する
- 該当する一般的名称がない場合は、GHTFのクラス分類ルール(薬食発0510第8号 別紙1)で目安をつける
既存の一般的名称が存在しない新医療機器などの場合、類似品がないケースもあるので、クラス分類がわかりません。この場合は、既述のクラス分類ルールを参照すると大体の目安がつきます。最終的にはPMDAが審査の過程で決めることになります。
9. クラス分類を確認したい場合の相談先(PMDA)
クラス分類が自分で判断つかない場合は、PMDAに相談します。まずは製品概要をまとめ、無料の「全般相談」へ申し込むのがよいでしょう。
- 相談窓口:PMDA全般相談 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0054.html
- 医療機器分類と薬事審査関係部署について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/files/000273968.pdf
10. 参考資料(Reference materials)
日本語の参考資料
- 「医療機器」独立行政法人医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0028.html
- 「医療機器の分類と規制」厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0227-5h_0012.pdf(参照 2026年7月)
- 「高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器に係るクラス分類ルールの改正について」厚生労働省医薬食品局長 平成25年5月10日 薬食発0510第8号 https://www.pmda.go.jp/files/000242914.pdf(参照 2026年7月)
- 「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」厚生労働省医薬・生活衛生局 令和3年3月31日(令和5年3月31日一部改正) https://www.pmda.go.jp/files/000240233.pdf(参照 2026年7月)
- 「プログラムの医療機器該当性に関するガイドラインの一部改正について」厚生労働省 令和5年3月31日 薬生機審発0331第1号・薬生監麻発0331第4号 https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001082227.pdf(参照 2026年7月)
- 「医療機器分類と薬事審査関係部署について」独立行政法人医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/files/000273968.pdf(参照 2026年7月)
- 「医療機器の薬事承認等について」厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/zaitaku5.pdf(参照 2026年7月)
- 「医療機器製造業登録・製造販売業許可が必要な範囲と取得方法について」京都府健康福祉部薬務課(京都府薬事支援センター) https://www.ki21.jp/kobo/r3/kyomed/kyoto_iryoukiki_panfu.pdf(参照 2026年7月)
英語の参考資料
- "Principles of Medical Devices Classification" GHTF Study Group 1 2012年11月 https://www.imdrf.org/sites/default/files/docs/ghtf/final/sg1/technical-docs/ghtf-sg1-n77-2012-principles-medical-devices-classification-121102.pdf
- "Principles of In Vitro Diagnostic (IVD) Medical Devices Classification" GHTF Study Group 1 2008年2月 https://www.imdrf.org/sites/default/files/docs/ghtf/final/sg1/procedural-docs/ghtf-sg1-n045-2008-principles-ivd-medical-devices-classification-080219.pdf