SaMDの保険収載
プログラム医療機器(SaMD)の保険収載ルートは、事実上、区分A1か区分C1/2に限定されています。
区分A1は、診療報酬に包括されており、個別評価されません。一方区分C1/2で過去に承認されたSaMDは非常に少ないため、SaMDでの保険償還は厳しいものとなっています。
また、令和6年診療報酬改定の際には、SaMDの評価基準の明確化が図られました。
SaMDが除外されている(されるであろう)区分
保険適用申請において以下の区分を希望することができません。
SaMDの保険収載区分と製品例
SaMDが目指す主な保険収載ルートを、製品例つきで紹介します。
1. A1(包括)区分
医師の診断・治療といった既存の技術料の中に、SaMDの評価も含まれる(包括される)区分です。SaMD自体に新たな点数は付きません。
既存の技術料の範囲で使われるものの、新たな機能区分が設定されるものです。
3. C2(新機能・新技術)区分
既存の技術料、機能区分がない場合、新しい技術料(診療報酬点数)と機能区分が設定される区分です。
令和6年のSaMDの評価基準の明確化
その他
区分A1は、診療報酬に包括されており、個別評価されません。一方区分C1/2で過去に承認されたSaMDは非常に少ないため、SaMDでの保険償還は厳しいものとなっています。
また、令和6年診療報酬改定の際には、SaMDの評価基準の明確化が図られました。
SaMDが除外されている(されるであろう)区分
保険適用申請において以下の区分を希望することができません。
- 区分A2と区分B1
- 厚生労働省の通知において、A2およびB1区分での保険適用希望は「プログラム医療機器以外の医療機器に限る」と明確に規定されています 。医療機器・体外診断用医薬品の保険適用について|厚生労働省
- 区分A3(既存技術・変更あり)
- この区分は「A1またはA2に該当する製品」が前提となります 。SaMDはA2の対象外であるため、このルートはあまり現実的ではありません。
- 区分B3(期限付改良加算)
- この区分は「既存の機能区分(B1)に該当すること」が前提となります 。SaMDはB1の対象外であるため、その派生であるB3での申請も難しいと思われます。
SaMDの保険収載区分と製品例
SaMDが目指す主な保険収載ルートを、製品例つきで紹介します。
1. A1(包括)区分
医師の診断・治療といった既存の技術料の中に、SaMDの評価も含まれる(包括される)区分です。SaMD自体に新たな点数は付きません。
- 製品例:エルピクセル株式会社の医用画像解析ソフトウェア 「EIRL Colon Polyp」
- 大腸ポリープ候補を検出し大腸内視鏡検査を支援する「EIRL Colon Polyp」
- 当初は、既存の診療報酬項目の中での包括的評価となり、個別に保険点数が加算されない「A1(包括)区分」として算定された。その後、令和6年の診療報酬改定により、本製品を用いて内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を実施した場合に、病変検出支援プログラム加算として保険点数が60点加算されることになった(区分A2)。(診療報酬改定では、「K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」の「注3」として、病変検出支援プログラムを用いて実施した場合の「病変検出支援プログラム加算」が明記されたため。)
既存の技術料の範囲で使われるものの、新たな機能区分が設定されるものです。
- 製品例:CureApp HT 高血圧症治療補助アプリ
- 適用できる保険項目
- プログラム医療機器等指導管理料(初月のみ導入期加算含む)および特定保険医療材料[高血圧症治療補助アプリ]を算定します(2024年6月以降)。
- プログラム医療機器等指導管理料:90点
- ※特定保険医療材料[高血圧症治療補助アプリ]を算定する場合に月1回に限り算定
- プログラム医療機器等指導管理料 導入期加算:50点
- ※初回に限り算定
- 特定保険医療材料[高血圧症治療補助アプリ]:7,010円
- ※初回の使用日の属する月から起算して6か月を限度として、初回を含めて月1回に限り算定
- 当初区分C2において技術料が新設されましたが、その後R6の診療報酬改定に伴い、区分C1にて、特定保険医療材料として「高血圧症治療補助アプリ」という機能区分が新設され、材料価格として7,010円が設定されました 。
- 適用できる保険項目
3. C2(新機能・新技術)区分
既存の技術料、機能区分がない場合、新しい技術料(診療報酬点数)と機能区分が設定される区分です。
- 製品例:nodoca(ノドカ)
- 咽頭(のど)の画像をAIが解析し、インフルエンザウイルス感染症の診断を補助する内視鏡システム。
- AI医療機器として日本で初めてC2区分で保険適用され、新たな技術料(305点)が設定されました (R4年当初はD296-2 鼻咽腔直達鏡検査 等を準用、その後R6年に同じ点数で新しい技術料「内視鏡用テレスコープを用いた咽頭画像等解析」が設定された)
- URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000035813.html
令和6年のSaMDの評価基準の明確化
- 令和6年の診療報酬改定時に、SaMDの評価基準の明確化も図られました。
- 001251540.pdf スライド14-17
- 概要
- 支援型プログラム医療機器の評価
- 検査・治療計画・手術などを支援するプログラムが対象。
- 既存技術の有効性が明確に向上する場合は、加算評価。
- 医師の配置要件が緩和される可能性あり(有効性が同等なら)。
- 実施型プログラム医療機器の評価
- 検査や治療そのものを実施するプログラムが対象。
- 通常のC2(新機能・新技術)区分として評価。
- 制御型プログラム医療機器の評価
- 他の医療機器を制御するプログラムが対象。
- 有効性が明確に向上する場合、加算評価または特定保険医療材料として評価。
- 自己管理型プログラム医療機器の評価
- 患者が医療機関外で使用するプログラムが対象。
- 医学管理の有効性が向上する場合、特定保険医療材料として評価。
- 支援型プログラム医療機器の評価
- イノベーションを保険点数でも評価しようという基本方針に沿ったものと思います。
- ただし、中医協の議事録を見ると、SaMDに対し簡単に高い点数を提示することに抵抗感を持つ委員も少なくない印象です。
- 今後も短期間に改定があるかもしれませんので、最新の情報をウォッチして対応してください。
その他
- 単に性能だけでなく、臨床的な有用性を示す必要があり、また、既存技術に対し統計学的な優位性を示す必要があります。それが示せないと、A1区分となってしまいます。薬事プロセスと保険プロセスは別ですが、開発・臨床試験の段階から保険戦略を見据えて検討することが重要となります。
- C2区分で承認されても、次の診療報酬改定までは新しい点数が設定されないため、既存の類似技術の点数を使う準用技術料が暫定的に設定されます。