先進医療制度
- 日本の先進医療制度は、将来的な保険導入のための評価を行う「評価療養」の一つであり、技術の新規性や評価の必要性の度合いに応じて「先進医療A(旧 第2項先進医療)」と「先進医療B(旧 第3項先進医療)」に大別されます。
- 先進医療A: 未承認の医薬品や医療機器の使用を伴わず、その技術の有効性・安全性が一定程度確立されているものが対象となる。既存の技術を新たな術式に応用する場合などが含まれる。
- 先進医療B: 未承認の医薬品・医療機器の使用を伴うもの、あるいはそれらを伴わなくても、技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断される、極めて新規性の高い医療技術が対象となる。
- 参照資料
患者側から見た概要
- 目的とメリット: 将来的に公的医療保険の適用が検討されている、先進的で高度な医療技術を、保険適用の治療と組み合わせて受けることができる制度です 。これにより、まだ一般的に普及していない最新の治療法へのアクセスが可能になります。
- 費用負担: 先進医療にかかる技術料は全額自己負担となります 。ただし、診察、検査、投薬、入院料など、通常の治療と共通する部分は公的医療保険が適用されます 。自治体によっては、先進医療の自己負担分に対する助成制度を設けている場合があります。
- 手続き: 治療を受ける前には、医療機関から治療内容や費用について十分な説明を受け、納得した上で同意書に署名する必要があります。
医療技術を提供する側から見た概要
- 目的と位置づけ: 開発した新規の医療技術(医薬品や医療機器として未承認のものを含む)を、将来的に保険収載(公的医療保険の適用)させることを目指すための重要なステップです。この制度を通じて、実際の臨床現場で技術の有効性や安全性を評価するためのデータを収集します 。
- メリット: 保険適用前の段階で、限定された医療機関において技術を臨床導入し、社会的な実績を積むことができます。ここで得られたデータが、将来の保険収載申請における重要なエビデンスとなります。
- 手続きと要件: 先進医療として承認されるためには、厚生労働省に申請し、専門家会議による厳格な審査を受ける必要があります。審査では、技術の有効性・安全性といった「技術的妥当性」に加え、倫理性や普及性などの「社会的妥当性」も評価されます 。特に新規性の高い技術が対象となる「先進医療B」では、重点的な観察・評価が求められます 。
相談窓口
- 厚労省の担当部署は、厚生労働省保険局医療課及び厚生労働省医政局研究開発政策課先進医療係となっている。
- その他、主に研究者の相談窓口として、複数の医療機関がリストされている。
- soudan.pdf
- 多くの医療機関が臨床研究中核病院でもある。
- soudan.pdf
@K.Kamitani